1枚の岩から教会が

tomokito2015-07-21

今日も朝からインジェラ。毎日2回はインジェラ食べてる。まだ飽きてない。

今日はゴンダールからラリベラへ移動。ラリベラはエチオピア観光の中で絶対に外せない場所と聞いている。ここが有名なのは10数ある岩窟教会だ。どうやって当時の人達が斧でこれを造り上げていったのか、想像しても想像しても想像しきれないくらいの大きさ、精密さ、高さ、美しさで、その神秘に胸がバクバクする。インドで見たアジャンタ・エローラの石窟を彷彿させる。1枚の岩をひたすらに掘って造っていったとのことだけど、ガイド曰く「天使ガブリエルの助けがあったからだ」と言われているらしい。そうした奇跡の物語より、本当にどうやって作られたかの実話が聞きたいと思ってしまう私。だって、奇跡とかじゃなく誰かが本当にこれを日々掘っていったからこそ出来上がったはずなのだから。

ここには世界各国から色んな旅行者が来ていたけど、今のところ日本人には全然出会わない。多いのがスペイン人。そしてそんな観光客を相手にお金を恵んでもらおうとする子ども達もたくさん。恵んでもらおうというより、とりあえず外国人を見たら「マニーマニー」というのが習慣づいているというのか。夕方に出会ったエチオピア人の青年としばらく話していたら、彼は高3で、親元を離れて寄宿舎で勉強しながら大学を目指しているという。将来は生物を勉強して獣医になりたいというから、日本の子ども達向けにビデオを撮らせてもらって夢が叶うように頑張ってねと伝えると、実は大学に行くお金がない、着る服がこれしかない、援助してくれる人を探していると。きっと大学を目指しているのは嘘だろう。親元を離れているというのもどこまで本当か分からない。獣医になりたいというのも本当ではないかもしれない。最後に彼は「撮影したビデオを消去して欲しい」と言って去っていった。きっと、彼なりに考えた嘘が日本で広がっていくことに罪悪感を感じたんだろう。人を騙すことにある程度の罪悪感があるとしたら、彼はまだまだ更正できるところにいるんだろうと夫婦で話をした。

そして夜はホテルでエチオピア人とケンカした。夫がロビーでメニューに30ブル(150円)と書いてあるマティーニを頼んで100ブル渡したら、出てきた請求書は100ブル(500円)。税込30ブルと書かれたメニューを見せて、お釣りを返すように何度言っても埒があかない。夫婦して声を荒げて「納得がいかない」「上司を呼んでこい」と言い、結局その1時間後くらいに上司不在のままお金だけが返ってきた。「こうやって外国人をいつも騙しているのか?エチオピアで出会った大半の人達は本当に素敵な人達だった。でもこんな小さなばかばかしい対応で私はエチオピアを嫌いになるかもしれない。そしてそうなりたくはないから、こうやって抵抗しているのだ」と相手に伝えた。納得がいかなかった。驚いたのは私だけじゃなく夫もかなり激怒していたこと。こういう場合、ほとんどの場合私が激怒して夫が私をなだめて諦めさせるという構図なのだけど、今日は違った。数字のつじつまがあわないところを押し切られるというのは許せないらしい。彼には彼の論理がある模様。

夜ご飯は部屋で本を読みながらマンゴとトマトとチータラとおかきとビール。チータラとおかきは友達に持ってきた日本土産だったけど、食べちゃった。なくなっちゃった。