お金を恵んでいただく

tomokito2015-03-25

4日目ともなると、このコテージがまるで我が家のようなくつろぎを伴っている感覚がある。ここに来るまで知らなかったけど、ここ、ちょうど2週間までに出来たばかりらしい。どうりでコテージも新品のようにきれいで、タオルにシールがついたままなわけで。

今日はお昼すぎの飛行機で首都に戻る予定だったんだけど、空港に行ってみると14時の飛行機はキャンセルされ、次は17時半までないという。ほほぅ。この島にバスはほぼ存在しないし、タクシーを呼んでも特に行くところがあるわけではない。飛行場でのんびりしておけばいいかということで、ベンチ以外何にもないのどかな島の一角で、昼寝したりひたすら本を読んだりして過ごした。

2人で旅をしていていいなぁと思うこと。それはお互いの本を読みあえること。持ってきた本が終わっても夫の本を読めるし、自分が選ばないような本に出会うこともできる。今回夫が持ってきた「夜中に犬に起こった奇妙な事件」がとてもいい本すぎて心がふるふると震えた。夫も泣いていた。私も泣いた。泣いている夫を見て、同じ本で泣けることを幸せだと思った。そして、空港で読んだ宮本輝の「優駿」が北海道の寒空で、渋谷同様にピンとこなさ過ぎた。照りつける太陽の下で思い描く雪はどこかぶ厚い。

飛行機の乗客は5人だった。観光客は私達2人だけだったので、機長が私達2人の前までやって来て、私達2人だけのために酸素マスクや避難経路の説明をしてくれたから、ちゃんと聞かんわけにいかず、集中して聞く。こんなに真剣に避難経路について聞いたのは久しぶりかも。

18時半くらいに首都の空港に到着し、そこからローカルバスを2本乗り継いでホテルに向かったのはいいけど、1本目のバスの中で小銭を持っていないことに気がついた。持っているのは万札だけで次のバスにどうやって乗ろうか、、、と相談していたら、なんとバス停で仲良くなった老夫婦が私達の状況を察知し、450フラン(500円相当)を私達にくれた。そう言うわけにいかない、申し訳ないとなんとか説明するも、「困ったときはお互い様。私達も海外に行ったときに助けてもらったのよ」と言う。その優しさに心から感謝してありがたくいただき、私達も日本で困っている外国の方がいれば同じように接しようと誓った。今まで色んな形で色んな人に助けてもらってきたけど、こんな風にお金をいただいたのは初めてかもしれない。感謝感激。ニューカレドニアがますます好きになる。