結婚っていいなと思うとき

一昨日見たプロフェッショナルがあまりにも良かったので、授業準備中の夫の手を止めて一緒にもう一度見る。夫もいたく感動し、担任のホームルームの時間に見せると言って涙を拭いた。今回の特集は掃除のプロ。

プロフェッショナルや情熱大陸みたいな人にフォーカスをあてたドキュメンタリーが好きで録画して見ているのだけど、最近芸能人などの有名人にスポットがあたりがちだ。でも面白いのは、自分が聞いたこともないようなジャンルの人だったり、世間で一般的に有名なわけではないけどある分野で秀でているような人。昔は主婦のプロやAV男優が取り上げられたりしたこともあった。有名だからスゴイのではないから。

今回取り上げられた掃除のプロは、父親が中国の残留孤児で高校生のときに日本にやってきた40代の女性。中国では日本人だといじめられ、日本では中国人だといじめられる中で、言葉が分からなくても出来る仕事として17歳の時に掃除を始めたという。掃除という域を超えて職人だと思っている、と。誰かに存在を認められたくてひたすら心をこめて掃除することに明け暮れた、と。人が真摯に一生懸命に何かに打ち込むとき、その人が何人でどこの国の人かなんて関係ない。ただ、人として、素晴らしいかどうか。

その人間として素晴らしい人がたまたま外国人で日本で日本の社会のために働いているというとき、普通以上にその人に対する感謝の念がわき起こってきて、私の中で言葉に形容しがたい感謝の感情がわき上がってくる。国籍なんか関係ないなんて思っている一方で、それが結果論であったとしても、日本のために真摯に全力を尽くしてくれてありがという気持ち。相反するようで両立する2つの気持ち。

前回のプロフェッショナルで取り上げられた、ラグビー日本代表の監督エディー・ジョーンズもそうだった。日本人とオーストラリア人のハーフで、最初に自分をコーチとして育ててくれた日本に恩義を感じ、コーチ人生の最後を日本に捧げたいという。たどたどしい日本語ながら、120%の力で1人1人に向き合っていることは1時間弱の作られた番組を見ただけでも分かった。泣けた。

この番組いいなとか、この人に惚れたとか思うとき、ほぼ時を同じくして夫と同じような感情を共有することが出来る。こういう感覚を当たり前の感覚として共有したとき、結婚っていいなと思う。