健康な体と理解ある職場と応援してくれる夫と

tomokito2014-04-21

6:15起床、6:45朝ごはん、7:45ベース出発といういつもの流れ。ここにいることが既にとてもしっくりきている。

今日は南三陸の歌津地区でワカメの出荷支援。2-4月にかけてワカメが取れるのだけど、ワカメの入札があと数日で終わりと決められているらしく、今週は最後の追い込み作業で人手が足りないという。漁師のお父さんが朝2時半起きで取ってきたワカメを海岸でさっと茹でて仕分け場に運び、そこで限界濃度ギリギリで半日〜1日塩漬けしたワカメの根っこを揃えて縛っていく。今日お手伝いしたのはその元揃えという作業。ワカメってこんなに長かったんだという驚くような長さのワカメがお互いに絡まないようにほどきながら根っこを揃え茎ワカメで縛っていくのだけど、その作業を教えてもらうためにお手伝いの人の手を止めてしまうことが申し訳ない。その隣の部屋では、私達が揃えたワカメを一旦ほどき、ワカメを茎と葉っぱに分けていく作業が行われてる。この行程も少しさせてもらったのだけど、これが見た目には分からない職人技を要する作業だった。パートのお母さん達はあっという間にスルスル分けていくのだけど、私達素人がやると途中で切れたりちぎれたりひっかかったり。彼らの文化や領域のほんの一端に関わらせていただいているという喜びと、彼らの商品に手をつけていることの申し訳なさが入り交じった気持ちに。

今日の活動を通して、いつも口にしているワカメがどんな行程を経て私達の食卓に届いているかを知り、改めて感謝してワカメを口にしようと心に誓う。ちなみにここ、家族と5人のパートの方でお仕事をされているのだけど、毎日収穫するワカメは1200kgという想像できない単位だ。帰りには柔らかいワカメと歯ごたえのあるワカメの2種類をいただいた。お金になるものをいただくことは出来ないと何度もお断りしたのだけど、せめてもの気持ちだからと言って聞かない。南三陸の宣伝をしてくださいというお父さんの言葉をありがたくいただき、彼らが手間暇と想いを込めて出荷するワカメが出来るだけたくさんの人の食卓に届くように、関西に戻ったらたくさん周りに配りたい。

帰り道、フランスのおばさまが和菓子屋さんに連れて行ってくれて、なんでも好きなものを買いなさいと地元のおまんじゅうを買ってくれる。さらにコンビニでビールも。私が来てからずっと一緒にいるこのおばさまは日本よりフランス在住歴の方が長いので、今日のワカメの活動現場で重たいワカメカゴを運ぶたびに「アン、ドゥ、トワッ」と声をかけていたのがおかしくて腰が抜けそうだった。この方、実は水彩画の画家で、今回の帰国は吉祥寺で開く個展のためなんだそうだ。その貴重な帰国の半分である1ヶ月をボランティアに費やしているというステキさ。日々この方の品の良さとチャーミングさと外国人っぽい直接的なつっこみのバランスの良さに楽しませていただいている。

今日は新しく7人のボランティアの方がやって来た。最高齢79歳で全員が私より年上。自分の両親より年上の人達がこんな元気でボランティアをしていることに元気づけられる日々である。同時に、寂しい思いをしながらも私の東北行きを誰よりも応援してくれる夫に対する感謝の気持ちがふつふつと沸いてくる。健康な体と理解ある職場と応援してくれる夫がいるからこそ、私は今ここにいる。