村から町へ

tomokito2013-09-04

最後の朝なので5時半に起きて、部屋の外に椅子を出して日の出を待ってみた。太陽を見ることはできなかったけど、もやと霞と雲の向こうにかすかに赤い色がうつり、世界のどこでもどんな天気でも日は昇るんだと感じられた。この村とも今日でお別れだと思うとちょっと寂しい。

宿を出るとき、行きに読んだ中島らも関連の本2冊「中島らもとの35年」「酔客万来」を隊員に寄贈。これはらも好きの夫が読み終わった本を持ってきたんだけど、常識にしがみついて読むとくらくらしてしまうので、自分の中の常識ラインをまず取っ払ってから読まないといけない。かなりひくかもしれない、と断って本を渡すと「医療隊員ってその辺かなり大丈夫なんです」と笑っていた。確かに。

来るときに驚いたガタガタ道を1時間半ほど下り、町に出る。町と言っても日本の地方都市より全然小さいくらいなのに、大都会に見えるから不思議。関係機関で打合せをしていたら、また昼ごはんを食べそこね、飛行機で一緒になった関係者にリンゴやビスケットやナッツを恵んでもらってなんとかしのぐ。この出張は食いっぱぐれが多い。

ポカラという町は11年前に旅をしていた時に1週間ちょっと滞在したところ。ここで毎日通っていた地元の屋台のことやトレッキングのこと、出会った人たちのこと、風景や空気から思い出される諸々がある。昔はバスで7-8時間くらいかけて移動したルートを今日は飛行機でひとっとび。この国が変わったというより、私のライフスタイルが変わったのか。でも、10円を切り詰める日々でなくても、毎日お金を計算しながら切り詰めて旅をしていたときのこと、忘れちゃいかんと思う。当時は100円くらいの安宿ドミトリーに泊まっていたからね。

首都に戻り、こちらに来て初めてネットが繋がった。夫に電話したら、飛び上がらんばかりに喜んでくれて、ちょうど余島仲間のお誕生日を私の仲間と一緒にお祝いをしているところなんだと言っていた。私の不在中、私の友達が夫のことを気にかけてくれていて本当にありがたい。

夜は仕事関係者と晩ごはん。久しぶりのお酒とお変わりし放題のダルバートに嬉しくなってついつい飲みすぎてしまった。出張先でグロッキーになったのは、中国以来か?久しぶりのちゃんとしたベッドでぐっすり眠る。こういうの、やっぱり大切だ。