余程の物好き

tomokito2013-01-01

エーゲ海で初日の出を眺めようとスタンバイしていたのだけど、朝から雨。こんな日もあろうかと部屋で優雅に朝ごはんを食べ、そのままベッドでゴロゴロ本読み。朝ごはんの残りをそのまま昼にもいただき、雨がやんだ頃、ホテルの周りをお散歩すべく外に出た。

このホテル、周りがなんにもないところに建っているので、ホテルを1歩出ればもうアウトドアハイキングコースに近い海外線の小道が北に南に延々と続いている。昨日は南へ歩いたので今日は北にある教会を目指して歩くことに。

5分くらい歩いたところで本日最初で最後の旅行者に出会ったのだけど、それがなんと1人旅中という奈良出身の日本人だった。日本人にここで出会ったということにお互いにびっくりして一緒に歩く。デジカメの写真を色々見せてもらったのだけど、彼女らしき人と写った写真があったので聞いてみると、ここに来る前の恋活パーティーで出会った人だという。婚活パーティーならぬ恋活パーティーとやらは初めて聞いたので、詳細を聞いて盛り上がる。なるほど、そんな風になってるんだ。小雨降る中一緒に2-3時間島を歩いて夕方にお別れ。新しい人に出会うことは旅の醍醐味の1つだ。

夜はまた雨がひどくなってきたので部屋でのんびり過ごす。本を読むだけなら日本でもできると言う人もいるかもしれない。でも、地元のワインを飲みつつ、目の前に広がる明らかに日本ではない景色を見ながら、分刻みではないゆったりとした時空の中で本を読むという贅沢さはやっぱりここじゃないとダメなんだな。ここまでで読んだ本は、角田光代「まどろむ夜のUFO」、花村萬月「皆月」、村田奈々子「物語近現代ギリシャの歴史−独立戦争からユーロ危機まで」、村上春樹「遠い太鼓」。これから石持浅海「水の迷宮」を読む。

ギリシャに来ると言ったら友達が必読だと教えてくれた「遠い太鼓」の中にこんな記載があった。

冬場にこんなところ(ギリシャの島)にわざわざやってくるのは余程の物好きか、あるいはオフ・シーズン料金をねらってくる小説家くらいのものだ。

余程の物好きですが、本年もよろしくお願いします!