カリブ海で泣くな

tomokito2009-10-24

今日は土曜日らしい。旅の途中でも、サルサクラブがあるようなところにいれば週末を少しは意識するだろうけど、この島にはサルサクラブがないから、今のこの生活に曜日はほとんど必要ない。

昨日から読みかけていた重松清の「その日の前に」。1つ1つの物語が「陰日向に咲く」みたいに少しずつシンクロしている生と死を扱った短編集。死の悲惨さを前面に押し出さず、淡々と生活の中にある迫りくる死を描いていて、テーマは重いのに重すぎず、文体は軽いのに軽すぎず、涙がこぼれそうでこぼれず、でも一旦こぼれ出すと止まらない、そんな本だった。こんなきれいな海を前に泣きたくなんてないのに、しゃくりあげて泣いた。

AERAには、最近の政変による国家予算の内訳や使途についての記事が掲載されていたんだけど、考えてみたら自分の国の予算が一体いくらで、そのお金が何にどう使われているのか、ざっくりですら分からないことに気がついた。ゼロがいくつ付いているのかも、数えてみないと分からない。ホンジュラスの国家予算や歳入、歳出額だったら大体分かるのに、これじゃあいかん。日本について要勉強です。

夜19時過ぎにJoseんちに戻ったら、Joseママ&パパが、これから私が行きたがっていた近郊の村に連れて行ってくれると言う。なんて優しい人たちなんだ。自分の息子の友達というだけで、会ったこともないのに旅の予定も決まってないのに家に泊めてくれ、鍵を渡してくれ、ご飯を作ってくれ、おまけにこうやって観光にまで連れて行ってくれる。それも夜遅くから。チリのPaulaファミリーにもJoseファミリーにも言われたけれど「私達にとって自分たちの子供の友人は自分たちの子供と同じ。初めて会ったとしても、私達はTe quiero mucho(I love you)なのよ」と。ラテン人のこういう愛の深さが大好きだ。そして私もそうありたい。

車で30-40分のところにあるEl Hatilloという町はおもちゃ箱のように小ぶりでカラフルな町だった。ベネズエラ最後の夜をいとおしく過ごす。