出勤

tomokito2009-07-20

久しぶりの出勤。色んなことが変わっていた。

政変に伴い、私が働く省庁の大臣も次官も局長もほとんど全員いなくなっており、みんな携帯も繋がらず、どこに雲隠れしているかも分からない。ため息。技術移転は個人でなく組織や制度に残していくものだから、人が変わっても心配すべきことではないはずだけど、やっぱり人が変わると仕事も一緒に去っていったりするのが現実なわけで。自分の実力不足をまざまざと見せつけられたということなのかもしれない。

そして私の執務室。2ヶ月程前より階上のトイレからの水漏れが始まり、机や床にバケツを置いて働いていたのだけど、休暇前からひどくなり、休暇中には水漏れではなく降り続く雨のように止まらなくなったみたい。今日出勤すると、私の机も身の回りのものも執務室から無くなっていた。執務室の扉を開けて、しばらく無言で立ち尽くす。今は緊急避難民として他部署の大部屋の隅に机を置かせてもらっているけれど、電話もインターネットもない。アシスタントが机を置く場所もないので、また働く場所の確保からやり直しだ。さて、どこからどう手を付けようかな。

家に帰って、居候中の友達が作ってくれた晩ごはんを食べ、顔を見に来てくれた友達に旅のあれこれを話して、1日が過ぎ去った。夜間外出禁止令はまだ続いているので、友達ははっと時計を見て大急ぎで帰り、テラスから眺める町は車1台も一切通らない静けさへと戻った。

日常に戻ってきたはずなのに、非日常の中にいるような気がする。