アルゼンチンよ泣かないで

今日も朝から雨。結局晴れたブエノスアイレスを見ることはなかったけれど、美しいものは雨が降っても美しい。重厚な石の建物は、濡れそぼつ雨を受けてどことなく艶やかだ。

1日会議。昨日よりも見知った顔が増えて、それだけで会議に受け入れられたような錯覚に陥る。会議からこぼれ落ちないように必死につかまってひたすらメモを取り続けるも、ふとした瞬間に議題を見失いそうになる。危ない危ない。歌と踊りとワインのついたランチをはさんで結局夜まで会議は続く。結局予定時間に終了せず、延々と議論は続き、私は飛行機に乗るために途中退席することに。後ろ髪をひかれながら会場を後にする。

ここで話し合われることがどれくらい現場に届くのか分からない。だけど、少なくとも話し合われなければ届くことはない。あつい人、さめた人、後ろに肩書きが透けて見える人、色んな人がいるけれど、少なくともあつく教育を語る人たちがいて、その国のために自分たちに何ができるかを真剣に議論することに時間を費やしている。現場から変えていくだけでは変わらないものがある。思いを新たに、これから私がどんな風にこの仕事に関わっていくのかを考え直すいいきっかけとなった。こんな機会を与えてもらったことにも感謝。

アルゼンチンを離れるその瞬間もまだ雨は降り続いている。アルゼンチンよ、泣かないで。