妻、桜島をまたぐ

tomokito2015-12-25

ザ・旅館な朝ごはんをいただき、海沿いを散歩。この町、以前はもっと栄えていたんだろう。閉店したラウンジやスナックが町のところどころに残っていて、その後に新しく入る店もなく、なんとなく町全体に勢いがない。ひなびた感じがいいとも言えるけど、どこかちょっともの悲しい。

この町に泊まる人のほとんどが砂蒸し風呂に入るんだろうけど、以前屋久島に行く前に入った砂蒸し風呂で低温やけどをしたので今回はパス。代わりといってはなんだけど、美味しい焼酎に出会った。指宿酒蔵の黒利右門。夫が大人買いして宅急便で送ったくらい。

指宿からバスに乗って今度は知覧へ。今回鹿児島に来ると決めたとき、一番来たかったのが知覧だった。ここにある特攻平和会館に来たかった。たくさんの絶筆や遺稿を見て、時々涙で読めなくなった。どんな思いで最後の夜を過ごしたんだろう。どんな思いで両親に宛てた手紙を書いたんだろう。どんな思いで最後の飛行に向かったんだろう。胸を鷲掴みにされたまま呼吸をするのが苦しいような2時間だった。でも本当に来て良かった。

もう一箇所行きたかったのが武家屋敷。武家が集まってこんなところに住んでたんだ。庭や家が1つ1つ当時の暮らしぶりを感じさせるもので、そんな家々の多くは今も彼らの子孫が普通に日常を営んでいて、昔から今へと繋がる歴史を感じることができた。真っ直ぐじゃない趣のある道も風情があってとても良かった。

夕方鹿児島に戻って、再度ラウンジで焼酎を飲んでから一路神戸へ。あったかかった鹿児島が嘘のような冷たい空気に、体がシャキッとする。帰り道、立ち呑み串カツやで一杯。夫はここでも焼酎を飲んでいた。ここはもう神戸ですよ。