逆走する日本

安保関連法がついに成立した。ブログに政治的な立ち位置とか書きたくないけど、記しておきたい。

法案成立には反対だった。ドナルドキーンは言った。「憲法9条は世界の宝です。」私はこの9条が日本人の魂の柱だと思っている。戦争放棄をうたう憲法がある日本だからこそ、海外で日本人として国際協力に携わる誇りがあった。自衛隊だって海外で武器を使わず、第一線で死なずに済んでいた。それが、今後は日本を守りたいという気持ちで入隊した彼らが他国のために働き、そのために命を落とすことになる。それも違法憲法を数の論理で押し切るという方法で、国がそれを正当化した。それでいいのか。今度私が海外で働くとき、これまで誇りに思ってきたように「平和主義を持つ日本だからこそ、別のところで戦争をしながらここでは支援を行うというような矛盾に陥ることなく国際協力を行うことができる」と胸をはって思えるだろうか。世界は戦争をなくす方向に進むはずで、そして日本は戦争放棄を掲げた憲法を持つ数少ない国なのに、何故それをこんなに歪んだ形で逆走するのか。

忘れないように、憲法前文をもう一度読み返したい。

政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。（中略）
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

そうだ、今晩は余島仲間と蒸し春巻き激ウマのベトナム中華を食べに行ったのだった。危うく忘れるところだった。