The reason I jump

tomokito2015-05-07

今年の初め、自閉症の息子を持つ友人が勧めてくれたNHKのドキュメンタリー「君が僕の息子について教えてくれたこと」を見て衝撃を受けた。なんと言葉で表してよいのか分からない驚愕というか。彼はちゃんと言葉を発することができない。けれど、文字盤を使って文字を指さしながらであれば声にすることができる。そして彼の発する言葉が、信じられない程心の奥底にある想いを表していて、その感性にただただ心が震えるのだ。

最近立て続けに彼の本を読んでさらに感銘を受けたこともあり、今日夫と一緒にドキュメンタリーをもう一度見た。彼は言う。「僕のために誰も犠牲になっていないと子ども時代の僕に思わせてくれたのが僕の家族のすごいところです。」

何が一番辛いですか?という問いに対してはこう答える。「側にいてくれる人は、どうか僕たちのことで悩まないで下さい。自分の存在そのものを否定されているようで、生きる気力が無くなってしまうからです。僕たちが一番辛いのは、自分のせいで悲しんでいる人がいることです。自分が辛いのは我慢できます。しかし、自分がいることで周りを不幸にしていることには、僕たちは耐えられないのです(東田直樹(2007)自閉症の僕が飛び跳ねる理由)」

口から自然に言葉を発するという形にとらわれがちだけど、自然に言葉を発することができなくても、人はこんなに豊かな感性を持っている。自分の中にある固定観念をガツンと岩で殴られた感じがした。