「俺は守るべき彼らの犠牲の上に生きている。」

tomokito2014-01-08

仕事の後、映画仲間と映画「永遠のゼロ」。ついこの間本を読んだばかりだったので、まるで本の世界がそのまま映像化されたような精密度だった。

彼は言った。「俺は守るべき彼らの犠牲の上に生きている。」戦争することの意味、生きるということ、死ぬということ、愛するものを「愛する」という言葉でなく伝えるということ、愛するものを残すということ、戦争を後世に伝えるということ、忘れないということ。色々考えさせることが多かったけど、一番強く感じたのは、この言葉に象徴される「戦争での死は多くのその他の見知らぬ人々の死の上に成り立っている」ということだった。死ぬことを一番いやがっていた主人公が最終的に特攻に行ったのは、そうした多くの死の上に自分が立っていることを強く感じたからではないか。

帰り道、仕事がえりの夫と合流して、夫がよく1人でふらっと立ち寄っている餃子やへ。一杯飲み屋のように気軽に入れるところやマスターが気楽な感じで、そのバランスがちょうどいいんだそうだ。この間は、意気投合したマスターと夫が21時早々に店を閉めて2人でカラオケに行っており、マスターは夫のことを「けんちゃん」と呼んでいることも発覚。どちらかというと内向的に育ってきたという夫は、見知らぬ人とぽっと仲良くなるという意外な特技を持っている。

3時間近く戦争にどっぷり浸かっていたのに、その直後にこうやって美味しい餃子をつまめる。こんな今の世界に生きていることをただただ感謝する。