松島で過ごした日々

友達たちが実家にやって来て、母がパエリアやラムのおいしい料理を振る舞ってくれた。おいしすぎてありがたい。

それ以外は延々と1日テレビ。そこに映し出される光景は、現実の世界とは思えないことの連続で涙が出る。

2002年6月10日、私は自転車日本縦断旅行の途中に宮城県松島海岸近くで転び、そのとき通りかかった親切なおばちゃんに拾ってもらった。見ず知らずの私も病院に連れて行ってくれたおばちゃん、病院で泣いてしまった私を次の病院まで連れて行ってくれた上、次の病院まで迎えに来てくれた病院の先生、おいしいお刺身をご馳走してくれた板前さん、骨折した私を仙台港まで送ってくれたおじちゃん、みんな元気だろうか。私を拾ってくれたおばちゃんは、そのまま私を数泊家に泊めてくれて、松島の観光船グリーン席に無料で乗せてくれて、毎日ごはんを作ってくれて、神戸に帰ることを余儀なくされた私の自転車を入れる袋まで縫ってくれた。優しさがかたまりで集まった町だった。

出来るだけたくさんの人の命がこの世に残りますようにとひたすらに願う。