「戦場カメラマン」

tomokito2008-03-19

1日ハンモックかビーチでゴロゴロ。あー幸せ。

昨日から千ページ程ある石川文洋の「戦場カメラマン」をひたすら読んでいる。第一線で従軍しながらカメラを手放さない彼の姿勢からは「いつ死んでも仕方ない」ではなく「死んでたまるか」が伝わってくる。死にたくないからこそ第一線に飛び込んでいる。死にたくないから妥協するのではないのだ。かっこいいと思う。そして、そんな生き方を尊敬する。エメラルドグリーンの海と真っ白な砂浜を眺めながら、あまりにも違う世界にくらくらしつつ、それでもあの戦場が同じ地球上であり、殺し殺されたものが同じ人間であることについて考えた。

本の中でとても印象的に残った箇所を書き留めておきたい。

ベトナムの農民は、この戦争の大きな被害者である。しかし、政府軍に招集されて銃を持ち、戦いを強要されて、また自分も傷ついていく私のまわりの兵士たちを、農民を攻撃する加害者だといって憎む気にはなれなかった。むしろ彼らも被害者であると思った。加害者はもっと大きなところにあるのだ。しかし、それらをフィルムに収めた場合、農民を拷問する政府軍であり、鶏を盗む政府軍であり、フィルムには加害者としての彼らの姿がとらえられる。あとでそうしたフィルムを整理しながら、どうしたら戦争の底にあるものを表現できるだろうかとたびたび考えるときがあった。

3月19日。今日が遠くにいる友人の誕生日であることは偶然ではあるまい。