伝えようとする力

今日は2つの感動があった。

1つ目は仕事で行った小学校。公開授業の後、子供達による「語り」の発表が20分程あり、40人ほどの子供達が講堂の色々なところに散らばり、詩を朗読した。ただそれだけの簡単な発表なんだけど、子供達の伝える力がとにかくすごかった。心からわき出る言葉で語る。谷川俊太郎だったり、佐藤さち子だったりの詩を1人で感情を込めて唱えたり、みんなで唱えたり、ばらばらに近くの観衆に向かって語ったりする。伝えようとするあまりに強い力がそれぞれにみなぎっていて、詩の言葉1つ1つが彼らのものとなっていた。子供たちが自分たちなりに解釈したその詩をここにいる人たちに伝えたいという気持ちが、目から、手から、体から、言葉からくるおしい程に伝わってくる。私はこぼれ落ちそうになる涙をこらえるので必死だった。すごく強い力だった。

教育ってすごい。どんな子供にも無限の可能性があって、それを引き出す大人のちょっとした力でそれがぐんと引き出される。その出会いがあるかどうか。それを出会わせてあげる環境を用意してあげられるかどうか。

2つ目は夜に品川の教会で行われたタテタカコのライブ。坊主頭で現れた彼女は教会に一見似合わないようにも見えたが、彼女の透き通った、でも美しいだけではない強い声が教会に響き渡った。彼女の伝えようとする力も、今日の子供たちのように強く、どこまでどんな風に受け止めたらいいのか、私自身が迷っているようだった。とつとつと話す言葉は飾り気がなく、でも嘘がない。裏がない。思いも言葉も表現も真っ直ぐで、ただただ引き込まれた。先日の情熱大陸で彼女が言っていた。「感じた想いは説明できない。ただ歌うだけ。」歌にすがってひたすらに伝えようとする彼女がとても大きく見えた。

表現する方法は詩だったり歌だったりする。大切なのは言葉そのものではなくて、伝えようとする気持ち、伝えたいと思う気持ちだ。