強く抱きしめる

朝まどろんでいるところに電話があり、伯父がつい先ほど息をひきとったとのこと。頭はまだ朦朧としている中で、体だけ慌ただしく起きて急いで服を着替える。

自転車をキーコキーコと急いで漕いで伯父に会いに行った。寝ているような穏やかな顔で安らかに眠っていた。1日何をしたわけではないけど、ただ伯母とずっと一緒にいた。涙を流すことのなかった伯母の涙腺が緩んだのは、最後に伯母を送っていった家の玄関先で私が伯母をハグしたとき。いつもより小さく見えた伯母を強くぎゅっと抱きしめたら、伯母が同じくらい強くぎゅうっと私に抱きついてきた。私も伯母も涙がこぼれそうだった。

誰かを失ったとき、一番必要なのは強く誰かを抱きしめることなのかもしれない。