受け止めるように写真を撮る

昨日石川直樹のことを書いたので、もうちょっと続ける。この間、石井重里と石川直樹&エリック*1がほぼ日で対談してたんだけど、石川さんがこんなことを話していた。

写真って、風景をフレームで四角く切るから、どうしても自分の美意識とかが前に出てきちゃうんですけど、なるべく、その意識の部分を排除して、ぼくは世界を「受けとめる」ように撮っていきたい。「切り取る」んじゃなくて、ね。(中略)構図とかを考えて風景を切り取っていくやりかただと、いつか、驚くより先に変な自意識が前にでてきて、せっかくの出会いや偶然を受け入れることができなくなっちゃうんじゃないかって、直感的に思っているのかも知れません。ぼくは。

世界を「切り取る」というのはあくまでも主体がこっち側にあるけれど、「受けとめる」場合は撮る相手に主体を残している。うんうん、私がこの人を好きだなぁと思うのはこういう感覚の持ち主だからだ。ちなみにこの対談の中で、石川さんは私の好きな森山大道に触れている。やっぱり人は繋がるのだ。

*1:香港生まれの写真家