秋葉原事件

秋葉原の殺傷事件がこちらでも報道されている。ニュースでも伝えられていたし、新聞にも。恥ずかしいという気持ちが半分、これも日本だと思う気持ちが半分。報道されたくないような、ありのままを伝えて欲しいような、複雑な気持ちになる。

もちろんこの国の方が殺人率は高い。2、3年前の統計によると、ホンジュラスでは10万人あたり75.75人が殺されており、この数値はなんとラテンアメリカ第1位だ。日本の殺人率が10万人あたり1人にも満たないことを考えると、この数値がいかに高いかが分かるだろう。でも、この国の殺人は比較的単純で分かりやすい。たいていの場合は恨みによる殺人であり、特定の人に対する復讐の殺人だ。無差別殺人や猟奇的で意味不明な殺人はほとんど聞いたことがないと言ってよい。それに比べて、最近の日本の事件は無差別に他人に向けられており、結果的に加害者とは全く無関係な人が事件に巻き込まれることが多い。なんていうのだろうか、日本の殺人の方が病的な感じがする。

こちらの人たちが信じているように、日本人が文化を重んじ、時間をきっちり守る勤勉で真面目な人種であることに間違いはないと思うけれど、精神的に病んでいて、人生に対して漠然とやり場のない怒りを感じている人たちが増えているのも事実だと思う。そうした意味で、報道されたくないような、ありのままを伝えて欲しいような複雑な気持ちになるのだ。