誕生物語

34年前、私は淡路島で産まれた。私を取り上げてくれた伯父さんが私の誕生物語を書いてくれたので、ちょっと引用。

知子ちゃんの生まれた時の状況を思い出して記してみます。
知子ちゃんは胎内では逆子でした。今なら帝王切開分娩ですね。(中略)当時の特に産婦人科は眼のまわるような忙しさで病室が足りず、毎朝予定より早く誰を退院させようかとヤリクリする事が、その日の仕事始めという有様でした。栄子(母です)は痩せているように見えても柔軟にして強い筋肉の持ち主、こういうタイプの人は大抵良い陣痛が来て、出血も少なく産婦人科医は歓迎、又産道も心配なし、逆子とはいえ臀位で危険とは感じず「どんとこい」のつもりで陣痛の始まる日を待っていました。確かその日は分娩室に難産の人が数時間も前から入っていてウンウンもがいていました。そこへ栄子が飛び込んで来ました。二人目とは言え、ハイハイハイといとも簡単にこちらの指示通り、余裕しゃくしゃくに事が運びました。知子ちゃんは生まれるなり大きな声で元気一杯気持ち良く泣いてくれ、おまけに色が白く、体のバランスが良く、快心のベビー誕生といった感じでした。沢山の分娩に立会いましたが、あれほど明るくて余裕のある「お産」も珍しい。あたかも流れ作業のように分娩を終えた栄子は 隣の分娩台でまだ唸っている妊婦さんをみて「頑張ってね、もう少しよ、悪いけどバイバイ」と手を振って分娩室を後にし、病室に戻りました。

I was born。「生まれた」んじゃなくて、「生まれさせてもらった」んだということを、ひしひしと感じる。

楽しいことも悲しいことも、嬉しいことも辛いことも色々あった1年。でも、34歳になろうとしている私は、33歳の私抜きには前に進めないし、33歳があったからこそ34歳が迎えられる。33歳の成長につき合ってくれたみんなにどうもありがとう。34歳も33歳と同じくらいステキな1年になるといいなあと思っています。34歳の私もどうぞよろしく。