ブータンの暮らし

tomokito2016-07-20

朝ごはんは、目の前に青々と広がる湿地を見ながら。9月になるとここにたくさんのオグロヅルが舞い降りるらしい。ブータンに来てから初めての雨も、この湿地には気持ちよさそう。

昨日知り合ったアメリカ人ボランティアに案内してもらって、保護されているオグロヅルに会う。飛べないけど、たくさんの人の気持ちを背負っていることをほんのちょっと分かっているような顔をしているように見えた。このアメリカ人、「まだここに来てから、1羽もツルを見てないんだけどね」なんて言いながら、オグロヅルやこの村ポブジカのことをとても楽しそうに生き生きと話すから、こちらまで嬉しくなる。きっと彼はこれからどんどんこの地に馴染んでいくんだろう。彼の姿が協力隊員と重なる。予定を大幅オーバーしてから、再びぬかるみの道を延々と。GNPと道路が比例していない気がする。

ガイドさんから聞くところ、ブータンにはたくさんのインド人が出稼ぎに来ているという。至るところで行われている道路工事は99%インド人が行っていると言われて改めて見ていると、工事をしている人達はみんなインド系の顔。時々ネパール系。ここに来る前はインドよりもブータンの方が貧しいイメージだったのだけど、1人あたりのGDPを聞いてみるとインドが1500ドル、ブータンが2560ドル。ビックリ。一説には、7-80万人いるというブータン人口の内2-30万人がインド人らしい。すごい。通常の外国人が支払わないといけない公定料金を支払わなくも入国できるからなのかな。ただ、ブータン人がややインド人を軽蔑して話す感じが気になった。

標高を1000mくらい下って、山間の町プナカへ。ここのゾン(寺院)は荘厳で堂々としていて美しい。川に挟まれている立地が、まるでお城のお堀のよう。ゾンをいつまでもうっとり眺めながら、今度はぬかるみの道を車で登って田舎の村のお宅へ。今日はホテルではなく民家に泊めてもらうのだ。今流行の民泊ってやつ?本当に山の真ん中、何もないところにポツンと家が建っているそんなおうちで、気分はまるでウルルン滞在記。シャワーはもちろん水浴びで。

ちょっとすり切れたUNICEFTシャツを着た寡黙で笑顔がステキなお父さんとブータンの布を巻きスカートにした陽気で明るいお母さん。英語は全く喋れないけど、こっちが日本語、向こうがゾンカ語でなんとなく会話が成り立っているように感じられるから不思議。村を小一時間散歩して、数人の子供とすれ違った。人は住んでる模様。晩ごはんは台所にゴザを敷いたところにみんなであぐらをかいて座って食べる。村の人はこんな風にごはんを食べるんだ。村の人はこんなところで寝るんだ。こんな風にバター茶を飲んで、毎日を過ごしてるんだ。世界一辛いと言われるブータン料理だけあって、口がヒーヒーとなる辛さだったけど、心はあったまった。彼らのこんな生活に触れられてよかった。

お客さんに対する敬意を表して出されるというお酒。なんとバターと卵が入っていた。うぅ、美味しいとはいえないけど、がんばって飲み干す。そして、部屋のゴキブリを大小1匹ずつ殺してから就寝。あ、殺したのは夫ね。